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健康な家族


佐々木先生に学んだ40年以上前の研究です。アメリカのテキサス州に、ティンバーローン精神医学医学研究財団という精神衛生の研究所があります。そこで三年間じつに入念な家族調査をおこないました。研究所は、健康な家族と不健康な家族、子どもの養育に成功した家族と失敗した家族の特徴があるかを調べた研究です。

その要素を箇条書きにしたものが下記になります。


【健康家族の傾向】


■開かれたシステム。外から精神的エネルギーを取り入 れることができる。

 ・外からの刺激、新しい力を歓迎し、方針の変化を恐  れない柔軟性。

・話し合いを家庭内外共に楽しむ。

・動物的欲求への開かれた配慮。性や死をタブー視 しない。自然に話す。


■家族メンバー間のパワーの序列・分担がしっかりある  1番:父 → 2番:母 → 3番:子ども


・『ここで言うパワーとは』:意見が割れたとき、責任と決断  力を持った主導的役割であり、支配的・独裁的なも

のではなく、かつパワーの持ち主は寛大で温厚でな

ければならない。

・家族各人がのけ者や黙殺の心配はなく、子どもは無

理緊張なく、自分が家族に影響力があることを認め

 られているが、それが小さいことも容認できる。

 ・両親の連合が強く、文化思想的に子ども世代と両

親世代の境界線がしっかりある。


【重度障害の家族の傾向】


■閉ざされたシステム。外部からの精神的エネルギーを 取り入れない。

・外界との生き生きとした相互作用がなく、日常の世界

  に変化がない。

 ・家族間に目標指向の積極的対話がなく、時間を無  視しての家族内の粘着的な相互作用が繰り返さ   れる。(未分化な家族自我の集合体)  

■パワーの構造が曖昧で、堅苦しく硬直している。

 ・父親がパワーを持っていない(受動的で相対的に

  力が乏しい)  

■最も不健全な家族は“母子の強い結びつき”と“弱い 父親”とが認められる。

・この様な状況の場合、男の子に情緒障害や精神障 害が多くみられた(7~8割)。

■両親間の争いが激しい

・子どもが夫婦関係を救うことにエネルギーを消耗する

  為、独立した自我の形成に失敗する。


いかがでしょう?健康家族、子どもの養育に成功した家族の共通点は、家族内外共に交友関係が豊かで、家族のメンバー間に明確に役割分担とパワーの序列がある。ということのようです。逆に、この共通点が弱ければ弱い程、不健康な家族、子育てに失敗する家族と言うことになります。特に心配なのは、最も不健全な家族の母子で結託し、父とは一線を引くという家族です。想像してみて下さい。特に男の子の場合は、思春期の反抗期に、母との体力は逆転します。いよいよお父さんの出番という時に、小さな頃からお父さんと一線を引いていたら、お父さんの力を発揮できるでしょうか。

 お父さんのイメージはお母さんが作ることが出来ます。

家族の為にお仕事をしてくれている立派なお父さんのイメージを、しっかり作っておくことが大切です。今から心がけておきましょう。 

     2021.3.山田昇

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