親から大切に育てられた記憶がある高校生とその記憶がない高校生とでは、明らかな傾向の差があるそうです。
佐々木先生は、この様に言われました。
京都大学大学院の木原理子先生の研究です。数十万人の青少年を対象に調査を行い、子どもたちが今抱えている問題の根がどこにあるかを知ろうとしておられます。
いじめ、性の問題、万引きや自傷行為といった問題点の原因を知ることによって、予防することを目的とした調査研究です。毎年全国各地の高校で調査を行い、その中にこんな質問がありました。
「あなたは自分の親から大切に育てられてきたと思いますか」「今あなたを大切にしてくれる大人がいますか」。
こうした多くの問いに、「はい」か「いいえ」で答えていくというアンケート調査です。
質問項目は数多く「異性の好きな友達ができたら高校時代に性的な関係を持つ事はかまわないと思いますか」「すでに異性と性的な関係を持った経験がありますか」「万引きをした経験がありますか」といったことにも質問は及びます。するとはっきりした傾向が見えました。
「自分が親に大切に育てられていると思うか」という問いに「はい」と答えたグループ、「いいえ」と答えたグループで、他の質問に対する答えが大きく違っていたのです。
「自分は親に大切に育てられたと思わない」「自分を大切にしてくれる大人がいない」と答えた生徒は、「高校時代に異性との生関係を持つ事はかまわない」と答える割合が非常に高い。そして「親に大切にしてもらった」「自分を大切にしてくれる大人がいる」と答えた生徒の2~3倍に上がりました。「万引きの経験がある」と答えた生徒は4倍。自傷行為があった生徒は3倍でした。
「大切にしてもらった」「大切にされている」経験が、自分自身を大切にしようとする気持ちにつながっていくのだろうと考えられます。
子どもたちが何を持って「大切にされた」と感じるかは人によって違うと思いますが、いずれにせよ、子ども自身が「大切にしてもらった」「大切にされている」と感じている場合は大きな問題が起こる事は少ないのは確かです。
子育て真っ最中の虹の丘在園のお父さん、お母さんは、幸いなことに、今まで同様、これからも、まだまだ子育ての思い出作りの時間がありますね・・・。“大切にされた”と実感できる楽しい思い出を沢山作って下さいね!
2022..1.28 山田 昇
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