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『はじめに』

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 「子どもは“遊び”の中で育つ」この当たり前のことは誰もが耳にし、分かっていることですよね。ところが、一方では、幼児教育、早期教育に対する関心が年々高まっています。しかも、その教育の方向性や内容はさまざま。ここ20~30年の間に、沢山の子育て情報が氾濫し、幼い子をもったご両親はちょっと(かなり?)不安を抱えています・・・。
 でもね。子どもの育ちを丁寧に見つめれば、いくら時代が変わろうとも、子どもの育ちや発達は、昔と変わりがないことが分かります。(人の身体は、一万年前と変わりがないと言うくらいですから・・・)ですから、いいんですよ。“遊ばせておいて”下さい。と言いますか、“遊ばなければ”心や身体も健康には育ちません!子ども達は、異年齢の仲間との遊びを通して、様々な力を養います。特に、人と関わり合う力や仲間を思いやり、協力していこうとする力、ルールを守ろうとする力などは、遊びの中でしか育たないと言っても過言ではありません。大人には教えることができないのです。ですから、ひとりで飽きるまで遊んで、群れて遊ぶようになってからは、楽しいことも沢山あるけれど、モメてケンカして、また、ケロッと仲直りして、遊んで・・・、これが良いんですね。本当に大切で必要なことなんです。 
 勿論、ケンカそのものは見ていて、決して気持ちの良いものではありません。しかし、ケンカをすることによって、初めて、相手にも主張があることや相手の痛み、逆に、一方的に我を通してしまった後味の悪さなどを実感します。


 つまり、ケンカは人として成長するために、必要不可欠なことなんですね。また、遊びや生活の中では、木に登ったり、高いところから飛び降りたり、更には、スコップやノコギリ、大きくなれば包丁など、様々な道具も使いますから、小さなケガは沢山します(取り返しのつかないケガは、絶対に無いように、細心の注意を払います)。そうですね、月に3回、年間36回位の“小さなケガをくり返して子どもは育つ”と言っても過言でないでしょう。小さなケガは、間違いなく大きなケガの予防線になることも事実です。
 この様に小さなケガを沢山したり、ケンカして、きつい言葉で相手を傷つけたり、男の子は勿論、時には女の子だって取っ組み合いになって、ひっかき傷のひとつも作りますよ。子どもですから・・・。みんな、どの子も、毎日、命いっぱいに生きてるんですから・・・。

 でもね。“この様な生活と引き替えにしか、獲得できないもの”があるのです。

 親や保育者などの“大人が、子どもにどんなに教えようとしても、教えることのできないものがある”のです。“大人が子どもに教えられることには、限りがある”のです。特に人と関わり合う力や仲間を思いやり、協力していこうとする力、ルールを守ろうとする力、そして、やがて価値のあることや人のために役立とうと努力する力は、“この様な仲間との遊びや生活の中でしか育たない”のです。
 ですから、子どもは、“遊ばなければならない”し、“子どもにとって遊ぶこと、これ即ち、生きること”なのです。
 「虹の丘」では、いつも“子ども”と“遊び”が、生活の中心にあります。

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