虹の丘

2019年11月28日2 分

相手に調和できる子に

人が幸せに生きていく上で、必要な力の一つに“調和力”があります。周囲の人たちと円満に調和する力です。その力はどの様に育つか。佐々木先生はこの様にいわれます。

『例えば、子どもがハイハイをしている時に、こちらが立ったままあれこれしても、子どもは大きな感動をしませんが、こちらも一緒にハイハイをすると子どもはとても感動して、急に活発に行動します。追いかけようとするといそいで逃げようとします。今度は自分が追いかけて親に逃げさせます。役割の交代です。子どもは、まず自分に同調してくれる人と調和することを学びます。まず自分に調和してくれる人に恵まれなければ、人に調和していく力は身に付かないということです。

 ところが最近は、親が子どもに同調してあげることが不足しているように思えます。それは親自身がそうされてこなかったからかもしれません。あくまでもこちらが子どもに同調してあげることで、子どももこちらに同調してくることになるという営みです。

 こちらから同調してあげる、子どもが望んでいることを積極的にしてあげると、子どもは安心していろいろな要求をしてきます。ずっと相手も要求していることをこちらがやってあげているうちに、こちらの要求に従って子どもが出来るようになってくるのです。この時に子どもは強制力が働いたのではなく、無力感を感じることなく、自尊心が傷つくことなく、こちらへ調和できるようになります。

 人と同調して、調和して、共感して、お互いに役立つ、頼り頼られるという関係の中で、何かを行うことが出来るということが、人間にとって精神衛生上、どんなに良いことかを感じています。人は人との調和なくして幸せを感じられない、生きてはいけないのです。』

子どもの頃に、同調してもらえないまま大人になるとどうなるか?佐々木先生はこう言われます。

『同調できない大人になってしまいます。そればかりか、周囲の人たちを必要以上に自分に同調させようとします。つまり、自分の主張ばかりを押しつけようとするのです。ですから、結果として、良い人間関係が築けません。

 「夫婦間が大変だ」「子どもが大変だ」「ご近所さんが大変だ」と言う人は、大抵が夫婦間、親子間、ご近所さんと良い人間関係が築けていないのです。』

人が幸せに生きていく上で必要な“調和力”を今のうちにしっかり育てておきましょう!

2019.11.28 山田昇

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