偏差値より大切なもの


虹の丘では、幼児期の“主体的な仲間との遊びの大切さ”が、共通認識としてあります。

 しかし、世間一般では、偏差値教育や競争原理の意識が今だに根強く残っています。その根強い意識に対して佐々木先生はこの様に言われました。

子どもを競争原理の中で育てない方がいいと言いましたが、「そうはいっても小学校、中学校の勉強が友達との競争にならざるを得ない」と思う方もあるでしょう。 確かに、いわゆる偏差値教育というものは、ある集団の中で、子どもをほかの子どもと比較しながら、点数を伸ばそうとしていくものです。その点では「良いもの」ではありません。 けれど偏差値教育、競争原理の働く学校で勉強しているのだから、子どもが健全に育たない、曲ってしまう、ということではありません。私はそれよりも大切なのは家庭だと思っています。

 親が家庭でそれぞれの子どもの多様な価値をしっかりと認め育てていれば、学校での成績の序列など、たいした問題にならないのです。偏差値教育によって子どもが重要な影響を受けてしまうとすれば、それは家庭が子どもにちゃんとした影響も与えられなかったことの方に問題があるかと思います。

 子どもの学校の成績ばかり気にして、成績が良かった時だけほめる、成績が悪ければ、叱る、励ます、ということを続けていたら、子どもは自分の価値も、友達の価値も「学校の成績」だけで見るようになっていくでしょう。成績の良い友達に嫉妬したり、敵意を感じたり、点数が悪かった時は、自分には価値がないように感じ、逆に成績が良かったときには友達を見下すようになっていくかもしれません。

 テストの成績や偏差値が高い方が良いかもしれないけれど、勉強の成績など、人間のほんの一面にしかすぎません。人にとってもっとはるかに大事なものはたくさんあるのだ、ということを教えられるのは、まず、家庭です。偏差値以上に価値のあるものを子どもに伝えることができない家庭があるとしたら、それがとても恐ろしいことだと思います。

 親はその部分でうんとしっかりしなくてはいけません。

競争社会・偏差値教育の風潮の中にあっても家庭で「偏差値より大事なもの」を教え、成績なんか関係なく子どもの価値を十分に認めてやることが、一番大切なことなのでしょう。そうした家庭で育った子どもは、成績が悪くたって、自分自身の価値を知り、自尊心を持つようになります。自尊心とは、誰からも冒されてはならない個人の人格的尊厳があるという、誇りの感情です。本当の自尊心は相手の自尊心を認めることにつながります。自分に誇りを持てる子どもは、友達に共感することができ、だからこそいい友だちもたくさん出来るのです。

 OECD加盟国などの先進国では、既に、“知識集約・知識偏重型の教育”から“答えが見つからない問いに対して、情報を集め、人と意見を交換しながら 斬新な考えを出せる知性、そしてそれを上手にプレゼンし、共働 できる能力を育てる教育”にシフトしています。

 しかし、日本はまだまだ・・・私たち親世代も、偏差値教育や競争原理界で育てられてきましたからから、「勉強の成績など、人間のほんの一面にすぎず、人にとってもっとはるかに大事なものはたくさんある」ということを強く意識して子ども達に伝えていかなければなりません。

 我が子を授かる前から、佐々木先生にこの事を学んでいたので、私も妻も、我が子3人に「勉強をしなさい」とか「成績表を見せなさい」的なことは、全くと言っていい程、言わずにこれました。

そして、末っ子が間のなく二十歳になる今、それくらいで丁度良かったと、強く実感しています。


山田 昇

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