「小学生になったらテレビゲームをどうしたら良いか」という質問をよく受けます。 また、携帯電話やスマホも、今や小学生から持つ時代になりつつあります。 しかし、この問題は、どうやら、ゲームやスマホを与えるかどうかの問題ではないようです。しかも、小学校に入学してからの問題でもない様です。佐々木先生はこの様に言われました。
『学校から帰って、自宅にいる間の多くの時間を、ゲームに熱中している子どもの話をよく聞きます。「それでは困るので、ゲーム機は買い与えない方がよいと思いますが、激しく要求するので、与えないわけにはいかず困っています・・・」こういう内容の質問が大変多いのです。 これは、一見、難しい質問のようなのですが、親の愛情が十分に伝わっていれば、与えるか、与えないか、どちらの選択をしても大差はないのです。 ゲーム機を楽しむのを、ほどほどにしておきなさいという親の気持ちを受け入れるかどうかは、それまでの親子関係が大きく影響します。 それまでに子どもが受け取ってきた、玩具などの「もの」や親の愛情をどのように実感しているかで、子どもの態度は変わってきます。 子どもがゲーム機を強く求めたら、私は買い与えてやるのがいいと思います。しかし、ゲームばかりに没頭してしまうとしたら、その原因に思いを向けてやってほしいと思います。 子どもがゲーム機のような「もの」で要求する時は、心の要求が満たされていないのかもしれません。たとえ「もの」を買い与えることがあっても、出来るだけ限度をわきまえて、そして、「もの」で子どもの要求を満たすことはできるだけ減らそうという気持ちも大切だと思います。 「ゲームばかりしていないで、もっと他のことをするように」という話をする前に、家族間の自然な会話を増やしていくように心掛けることが大切です。』
いかがでしょう?子どもに限らず、今日の日本人は、携帯、薬物、アルコールetc.たくさんの依存症を持っています。そして、そういう大人たちは、それまでの半生で、求めても与えられてこなかったものを、深く大きな心の渇きとして抱いているとも佐々木先生は言われます。
また、携帯・スマホを持たすと不特定多数の誰とでもつながってしまう事を心配する声をよく聞きます。5~6年前、中学生がlineの事件に巻き込まれる事が多発した時に、当時、中三だった末っ子を心配して、大手セキュリティ会社に務めている虹の丘のお父さんに相談したことがあります。 直接、息子と話をして下さり、2~3個の質問をしただけで「昇先生、息子さんは大丈夫ですよ。lineに信頼できる仲間が沢山いて、ネガティブな情報は共有し合っているみたいです。逆に、この間、lineを始めたばかりの50代の上司が、だまされてましたよ。うち、セキュリティ会社なんですけどね・・・(笑)」 なるほどと、とても納得したことを覚えています。 実社会も、SNSの世界も、信頼できる仲間が多いほど、安心して過ごせるということです。 「信頼できる仲間は、基本的信頼感が豊かな人ほど、沢山持つことが出来る」という佐々木先生の言葉が思い出されます。 幼いうちに、基本的信頼感をしっかり育てることの重要性をあらためて実感した出来事でした。 2019.10.30 山田 昇
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